タカシくんの「秘密」って一体なんだろう、既婚者っていうだけですでにかなり段腹熟女さんにはダメージだったのに。
言いたくなかったら言わなくてもいいんだよ。傷つくことを怖れた私はそう書きました。
いや、会うことになったときに怖がらせたくないから言うね、俺、入れ墨が入ってるんだ。なーんだ、そんなこと?私だったら全然気にいないよ。若い頃にヤンチャしてて入れちゃったんだ。こんなことで威張ってるとか思われたらイヤだから。ちょっと犬の散歩に行ってくるからあとでね。段腹熟女さんがどう返事をしたら良いか考えあぐねていると、タカシくんはそう言い残して出かけた様子でした。
段腹熟女さんも夕飯の支度をしなくてはいけない時間です。
まずはママチャリに乗ってスーパーに買い物です。
夜、一通りの家事を終えてタカシくんにLINEしました。
すぐに返事は来ませんでしたが。お風呂に入っていたようでした。
再びタカシくんからLINEがあったとき、意外なことを言われました。
明日、用事で菜々ちゃんちの方に行くんだけど、都合がついたら、会えるかな?段腹熟女さんはもちろん即座にOKです。
時間は、あってもなくても作ります。
午後2時くらいと大体の時間を決めてから、
なんか、緊張するね。とタカシ君が言いました。
キスしてもいい?ハグしてもいい?と、甘えるようにタカシくんが書いてきました。
うん、大丈夫、私もドキドキしてるよ。と、返信しました。
今まで非現実的な存在だったタカシくん、実際は車でだったら20分くらいのところに住んでいるのですが。
そんな彼と明日会うと思うととても不思議な気分。
じゃ、明日会えるから今日はもう寝るね。と、タカシくんが言い、私たちのやり取りは終了しました。
眠れなかったとタカシくんからLINEが来ることもあるので、私は携帯を握ったままでベッドに入りました。
この達成感をどう表現して良いか分かりません。
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